スマホ冷却グッズの選び方|ファン式とペルチェ式の差と結露のリスク

左に送風式の冷却ファンを装着したスマートフォン、右に霜が付いたペルチェ素子式クーラーを装着して水滴が流れ落ちているスマートフォン

スマホ用の冷却グッズを、ファン式・ペルチェ式・放熱シートの3タイプで整理しました。実測で15分あたり3℃と15℃という冷却力の差、ペルチェ式に固有の結露リスク、買っても効果が薄いケースまで解説します。

スマホでゲームをしていると、20分ほどで動作が重くなることがあります。端末が熱を持つと、自分を守るために処理性能を落とすからです。

冷却グッズはこれを緩和する道具ですが、タイプによって効果の差が大きく、ペルチェ素子を使うものには固有のリスクもあります。この記事では、3つのタイプの違いと選ぶときの確認点を整理します。

その前に、本当に冷却グッズが必要か

先に確認してほしいことがあります。冷却グッズが効くのは、発熱が原因で重くなっている場合だけです。

最初から重い場合は端末の性能や設定の問題で、いくら冷やしても変わりません。操作だけが遅れる場合は通信の問題です。切り分け方はスマホゲームが重い・カクつくときの対処法にまとめています。

発熱が原因だと分かっている場合でも、先に試すべきことがあります。

  • 充電しながらのプレイをやめる
  • ケースを外す
  • 画面の明るさを下げる

これらは無料でできて、効果も小さくありません。特に充電しながらのプレイは、バッテリー自体が発熱源になるため影響が大きい要因です。ここを直さずに冷却グッズを足しても、発熱源を残したまま冷やすことになります。

それでも足りない場合に、冷却グッズが選択肢に入ります。

3つのタイプと冷却力の差

冷却グッズは大きく3種類あります。冷却力にははっきりとした差があります。

タイプ仕組み電源冷却力の目安
ファン式背面に風を当てて熱を逃がす必要15分で約3℃
ペルチェ式電流で冷却面を作り、直接冷やす必要15分で約15℃
放熱シート・ケース熱を広げて逃がす(電源不要)不要わずか

数値は価格.comマガジンの検証によるものです。同じ条件で背面温度を測ったところ、ファン式は約46℃から42.9℃へ、ペルチェ式は約45.9℃から30.3℃まで下がりました。

冷却力だけを見ればペルチェ式が圧倒的です。ただし、後述するリスクと制約があります。

ファン式

背面に小型のファンを当てて、たまった熱を空気で運び去るタイプです。

仕組みが単純なぶん故障が起きにくく、冷やしすぎることもありません。連続して使い続けられるのが利点で、長時間プレイ向きです。

弱点は冷却力の低さと動作音です。また、周囲の空気で冷やす仕組みなので、気温が高い屋外では効果が落ちます。屋内向けと考えたほうが実態に合います。

ペルチェ素子式

ペルチェ素子は、異なる2種類の金属の接合部に電流を流すと片側が吸熱し、もう片側が発熱する現象を利用した部品です。1834年に発見された古い技術で、冷えた面をスマホの背面に密着させて熱を奪います。

冷却力は圧倒的で、数分で体感が変わります。一方で電力を使い、素子自体も反対面で発熱するため、放熱用のファンが一緒に付いている製品がほとんどです。

製品によっては連続使用に制限が設けられています。検証記事で扱われた製品は1分30秒で自動的に電源が切れる仕様でした。冷やしすぎを防ぐための設計ですが、長時間プレイでは付けっぱなしにできない点を知っておく必要があります。

放熱シート・冷却ケース

電源が要らないタイプです。熱伝導率の高い素材で熱を広げ、自然に逃がします。

冷却力は大きくありません。ただ、電源も音も不要で、装着したままにできるのが利点です。発熱が軽度で「少しだけ改善したい」用途なら選択肢になります。

保冷剤で冷やす方法は避けてください。急激に冷やすと結露が起き、内部に水分が入り込む危険があります。

ペルチェ式を選ぶなら、結露を理解しておく

冷却力が高いことの裏返しとして、ペルチェ式には結露のリスクがあります。

冷たい飲み物のコップに水滴が付くのと同じ現象です。空気中の水分が、冷えた面の周りで水滴になります。スマホの場合、その水滴が充電端子、スピーカー、カメラ周辺、ケースのすき間に入り込むと、故障につながる可能性があります。

起きやすいのは次のような条件です。

  • 外気温との差が大きいとき(真夏の屋外など)
  • 湿度が高いとき
  • 冷却面が接している部分と接していない部分で温度差が大きいとき

対策としては、使用を短時間にとどめること、本体が冷えすぎていないか手で触って確認することです。冷却モードを段階的に選べる製品なら、最強設定を常用しない使い方が安全です。

防水対応の端末でも安心はできません。防水は外からの水を想定した設計であり、内部で結露した水分を排出する仕組みではないからです。

選ぶときに確認したい5点

装着方式

マグネット式とクリップ式があります。

マグネット式はiPhone 12以降のMagSafeに吸着します。Androidや非対応機種でも、付属の金属リングを貼れば使えるようにしている製品が多くあります。着脱が速く、横持ちでも位置を調整しやすいのが利点です。

クリップ式は端末を挟んで固定するので、機種を選ばず確実に留まります。ただし挟む位置によっては画面や操作の邪魔になることがあります。厚みのある機種やケースを付けたままで使えるか、対応厚を確認してください。

給電方法

ほとんどの製品がUSB Type-C給電です。ここで注意したいのは、ケーブルが手元に増えることです。

充電しながらのプレイは発熱を増やすため避けたい一方、冷却グッズには電源が要ります。モバイルバッテリーから冷却グッズだけに給電する運用にすると、この矛盾を避けられます。モバイルバッテリー自体の選び方はスマホゲーム用モバイルバッテリーの選び方で整理しました。

ケースの上から使えるか

ケースを付けたまま使うと、間に空気の層ができて冷却効率が落ちます。特にペルチェ式は密着してこそ効くので、ケースを外す前提の製品が多くなります。

ケースを外したくない場合は、ケース対応をうたっている製品を選ぶか、ファン式にするほうが現実的です。

動作音

ファンが回る以上、音は出ます。イヤホンを使わずにプレイする場合や、静かな部屋で夜に遊ぶ場合は気になることがあります。

連続使用の可否

前述のとおり、ペルチェ式には自動で電源が切れる製品があります。長時間プレイに使いたいなら、連続使用できるかどうかを仕様で確認してください。

買っても効果が薄いケース

  • 発熱以外が原因で重い。設定や通信が原因なら、冷やしても変わりません
  • 充電しながら使っている。発熱源を残したまま冷やすことになります
  • 炎天下の屋外で使っている。ファン式は周囲の空気で冷やす仕組みなので、気温が高いと効果が落ちます
  • ケースを付けたままペルチェ式を使っている。密着しないと冷却面の意味がありません
  • 端末の性能自体が足りていない。この場合は熱を下げても快適にはなりません

最後の点については、ゲームが快適に動くスマホの選び方で必要な性能を整理しています。

まとめ

  • 冷却グッズが効くのは、発熱が原因で重くなっている場合だけ
  • 先に「充電しながら遊ばない」「ケースを外す」「画面を暗くする」を試す
  • 冷却力はペルチェ式が圧倒的(15分で約15℃)だが、ファン式は約3℃
  • ペルチェ式は結露のリスクがある。短時間使用と冷えすぎの確認が必要
  • 長時間プレイならファン式、短時間で一気に冷やすならペルチェ式

どちらが向いているかは、遊び方によって変わります。1回のプレイが数時間に及ぶなら、冷却力より連続使用できることのほうが効いてきます。

ゲームバイブル編集部

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