Fate/Grand Order(FGO)は今から始めても楽しめる? 第2部完結後の11年目

甲冑や法衣をまとったキャラクターたちが、雲の広がる空と巨大な天体を背にして横一列に並んでいるイメージイラスト。中央には黒い制服の人物と盾を持った人物が背を向けて立っている

配信から11年、主軸だった第2部が2025年12月に完結したFate/Grand Orderを、これから始める人の視点で整理しました。今から読む物語の量、後発でも追いつける仕組み、天井までにかかる金額、評価4.02という数字の読み方までまとめています。

長く続いているゲームを今から始めるとき、いちばん気になるのは「もう手遅れではないか」という点だと思います。

Fate/Grand Orderは2015年8月に配信が始まり、2026年8月で11年目に入りました。App Storeのゲーム売上ランキングでは1位です。累計のダウンロード数は2026年4月に3,400万を超えています。

そして2025年12月、この作品の主軸だった第2部が完結しました。今から始めるかどうかを考えるうえで、この事情は無視できません。

以下、判断に使える材料を並べます。数値は2026年8月17日時点のApp Store(日本)の公表値と、運営が公開している情報に基づいています。

どんなゲームか

過去に生じた異常な地点へさかのぼり、歴史の崩壊を食い止めていくRPGです。プレイヤーはマスターと呼ばれる立場で、英霊(サーヴァント)を召喚して戦います。

戦闘は、手札にあたるカードから毎ターン3枚を選ぶ形式です。カードには攻撃の種類が割り当てられていて、同じ種類を並べると効果が変わります。指を滑らせる操作も、反射神経も要りません。物語を読む合間に挟まる戦闘、という位置づけに近い作りです。

そして物語の量が特異です。App Storeの説明文には500万文字を超えると書かれています。1分間に500文字読むとして、単純計算で約170時間です。実際には戦闘や移動が挟まるので、これより長くかかります。

この量が、追加課金なしで最後まで読めます。基本プレイは無料です。

この作品が11年支持されてきた理由は、ほぼここに集約されます。戦闘の手触りやグラフィックで選ばれてきた作品ではありません。

第2部が完結したという事情

2025年12月20日、第2部の終章が始まりました。12月23日に全プレイヤー参加型の戦闘が発生し、12月27日に決着の戦闘が開放されています。2017年末に序章が配信されてから8年、第2部はここで完結しました。

第1部と合わせて、この作品の主要な物語は一区切りついたことになります。

その後、2026年6月に新章が開幕しました。ただしこれは第2部の続きではなく、完結後を描く別の物語として位置づけられています。参加するには、それまでのメインストーリーを進めておく必要があります。

今から始める人にとって、この状況には利点と欠点の両方があります。

利点は、待たされないことです。連載中の作品を追いかけると、章の配信を半年から1年単位で待つことになります。今から始めれば、第1部から第2部の終わりまで、自分の速度で読み切れます。途中で止まる心配がありません。

欠点は、量です。11年分がすべて目の前に積み上がっている状態から始めることになります。区切りがついているという安心感と、その総量に向き合う負担は、同じことの裏表です。

物語を目的に始めるなら、区切りがついた今は悪くない時期だと考えます。逆に、周りと同じ話題を同時に共有したいという動機なら、大きな物語が完結した直後は、盛り上がりからもっとも外れた時期にあたります。

後発でも追いつけるか

物語を読む部分については追いつけます。育成と収集の部分は、追いつけません。

メインストーリーは順番に進めるだけで全部読めます。期間限定でもなく、有料でもありません。ここに後発の不利はありません。

戦闘についても救済があります。この作品には、他のプレイヤーのキャラクターを1騎借りて戦闘に加える仕組みがあります。始めたばかりで手持ちが弱くても、強いキャラクターを借りて進められます。物語を読み進めるだけなら、これでかなりの範囲を突破できます。章の終盤にある戦闘では、この借りたキャラクターに頼る場面が実際に出てきます。

始めたばかりの人向けの召喚も用意されています。序章にあたる「特異点F 炎上汚染都市 冬木」をクリアすると、対象となる32騎の星5キャラクターから1騎を選んで召喚できる「特別召喚」が1度だけ使えます。ランダムではなく、選択です。

さらに、有償の聖晶石12個で、対象となる期間限定の星5から1騎が必ず出る11回召喚が、物語の進行に応じて3回まで用意されています。第1弾は序章(冬木)の第3節、第2弾は第2部の序章、第3弾は第2部第3章をクリアすると開放されます。それぞれ開放から30日以内に1回だけです。

このため、リセットマラソン、いわゆるリセマラの必要性は低い部類です。星5を1騎選んで確保できる仕組みが用意されている以上、最初の召喚結果を引き直すために時間を使う意味は薄くなります。

加えて、この作品は星1から星3のキャラクターにも実用的な役割が割り当てられています。星5をそろえないと進めない構造にはなっていません。後発にとっては、ここが効きます。

一方で、追いつけない部分もはっきりしています。過去に期間限定で登場したキャラクターは、そのままでは手に入りません。復刻する機会はありますが、時期は運営が決めます。11年分の限定キャラクターを後からそろえることはできません。

ここを取り逃したと感じるかどうかが、この作品を続けられるかの分かれ目になります。物語を読むことが目的なら、ほとんど問題になりません。

続けると何をするのか

物語を読み終えた後、あるいは読んでいる途中で並行して行うのは、次の3つです。

1つ目は、期間限定のイベントです。ほぼ途切れることなく開かれ、短い物語と専用のステージがついてきます。ここで手に入るアイテムが、育成の主な原資になります。

2つ目は、素材集めです。キャラクターのスキルを伸ばすには決まった素材が要り、それは特定のステージを繰り返し回って集めます。この作品で時間を使う部分の大半はここです。作業に近い性質があり、そこを苦にしない人ほど長く続きます。

3つ目は、育成そのものです。レベル、スキル、そして装備にあたる概念礼装。それぞれに上限があり、上げ切るには長い時間がかかります。

物語を読む時間と、それ以外の時間の比率は、読み終えた後で大きく変わります。始める前に知っておくと、期待のずれが小さくなります。

課金の実態

課金は聖晶石という石を買う形です。App Storeで表示されている価格は次のとおりです。

内容価格
聖晶石 5個480円
聖晶石 21個1,600円
聖晶石 41個3,000円
聖晶石 77個4,900円
聖晶石 168個10,000円

召喚は1回につき聖晶石3個、10回まとめてなら30個です。まとめて引くと1騎多く出るため、実際には11騎になります。

星5キャラクターが出る確率は1%です。狙った1騎に絞れば、さらに下がります。

天井にあたる仕組みは用意されています。期間限定の召喚では、329回以内に対象の星5が出なかった場合、330回目で必ず1騎出ます。330回に必要な聖晶石は900個です。

これを全額購入でまかなうと、いくらになるか計算します。上の価格表で900個以上になる最も安い組み合わせは、168個を5つ、41個を1つ、21個を1つの合計902個で、54,600円です。

これが、狙った1騎を確実に取るための上限になります。実際には無料で配られる石や召喚チケットも回数に数えられるので、全額を負担する場面は多くありません。ただし上限として押さえておく数字としては、この金額です。

なお、この回数は召喚ごとに独立していて、内容が切り替わるとリセットされます。複数のキャラクターを狙うと、そのたびに回数を積み直すことになります。

課金の単価そのものは、突出して高いわけではありません。スマホゲームの課金はいくらかで売上上位100本を調べたところ、1万円以上の枠がある作品は58%でした。ロールプレイングに限れば37本中30本です。この作品の最高額1万円は、その中では標準的な位置にあります。

高いのは単価ではなく、狙った1騎に届くまでの回数です。

そして、この金額は物語を読むためには必要ありません。メインストーリーは無課金で進められます。課金が効くのは、狙ったキャラクターを手元に置きたいときと、育成を早めたいときです。目的が読むことなら、0円のまま最後まで到達できます。

評価4.02という数字をどう読むか

App Storeでのこの作品の評価は4.02、評価件数は157,958件です。売上1位の作品としては低い数字に見えます。

売上上位100本を調べた結果では、評価の中央値は4.49でした。4.02はそこから大きく下にあります。

ただし、配信からの年数をそろえると見え方が変わります。10年以上続いている18本に絞ると、評価の中央値は4.31でした。古い作品ほど評価は下がります。詳しくはApp Storeの評価は当てになるかにまとめました。

それでも、4.02は同年代18本の中で11番目です。年数を考慮しても下側にあります。年数だけでは説明しきれない数字だということです。

低さの理由として考えられるのは、次の2つです。

1つは、操作画面と戦闘の古さです。2015年に作られた仕様が、大枠のところで今も残っています。近年の作品を先に触った人から見ると、動作の1つ1つが古く感じられます。

もう1つは、ガチャの経緯です。天井にあたる確定召喚が導入されたのは2022年で、配信開始から6年以上、上限のない状態が続いていました。その期間の不満は評価として残り続けます。

言い換えると、4.02は今の出来だけを表した数字ではありません。11年分の履歴が乗った数字です。ただし、その履歴を差し引いても平均より下だという事実は、そのまま受け取ったほうが正確です。

始める前に知っておきたいこと

アプリの容量は約162MBです。App Storeの売上上位100本の中で、小さいほうから6番目にあたります。上位10本の中では最も軽く、2番目に小さい作品のさらに半分ほどです。端末の空き容量が少ない人にとっては、これは実質的な利点になります。容量を優先して選びたい場合は軽いスマホゲームの選び方も参考にしてください。

ただし動作にはiOS 15.0以降が必要です。対応言語は日本語のみで、通信も必須です。

App Storeの警告表記は7項目付いています。上位100本の中央値は2項目なので、かなり多い部類です。内訳は、アルコールやタバコへの言及、ホラー、成人向けの表現、言葉遣い、暴力表現、性的表現、そしてランダムで中身が決まる課金です。年齢区分は12+です。

いずれも「まれ/軽度」という程度の表記ですが、項目数が多いこと自体は把握しておいてください。子どもに渡す端末で遊ばせる想定なら、子供向けスマホゲームを先に読むことをおすすめします。

向いている人、向いていない人

物語を読むことが目的なら、向いています。11年分がすべて無料で、しかも区切りのついた状態で読めます。長編を最初から通して読みたい人にとって、今は条件が整っています。

Fateという作品に触れたことがある人にも向きます。歴史や伝承上の人物を題材にしたキャラクターが450騎を超えており、元になった逸話を調べる楽しみ方もできます。

端末の容量が乏しい人にも合います。162MBという数字は、この規模の作品としては例外的です。

一方で、最新の見た目や操作感を求める人には向きません。2015年の作りが残っています。ここは好みではなく事実の問題です。

短い時間で成果が欲しい人にも向きません。素材集めのために同じステージを繰り返す時間が長く、それを避ける手段はほとんどありません。

狙ったキャラクターを引けないと続かない人にも向きません。星5の確率は1%で、確実に取るには330回が必要です。引けないまま進む前提を受け入れられるかどうかが、この作品では特に重く効きます。

まとめると、物語を読む装置として見れば今から始める価値があり、キャラクターを集める装置として見ると後発には厳しい、という作品です。

まとめ

  • 2015年8月配信で11年目。App Storeのゲーム売上ランキングで1位、累計3,400万ダウンロード超
  • 主軸だった第2部は2025年12月に完結。2026年6月から完結後の新章が始まっている
  • メインストーリーは500万文字超。読むだけで約170時間かかるが、無課金で最後まで読める
  • 他のプレイヤーのキャラクターを借りられるため、手持ちが弱くても物語は進む
  • 冬木クリアで32騎から1騎を選べる特別召喚が1度、有償12個の星5確定召喚が3回。リセマラの必要性は低い
  • 星5の確率は1%。確定は330回目で、必要な聖晶石は900個。全額購入なら54,600円
  • 評価4.02は、10年以上続く18本の中央値4.31を下回る。年数だけでは説明しきれない
  • 容量は約162MBで、売上上位10本の中では最も軽い

物語を読み切りたい人にとって、今は入りやすい時期です。逆に、キャラクターをそろえていく遊び方を中心に据えるなら、11年分の差は埋まりません。どちらを目的に始めるかで、評価が変わる作品です。

ゲームバイブル編集部

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