クラッシュ・ロワイヤルは無課金でも進めやすくなったか。2026年のアップデートを検証
クラッシュ・ロワイヤルは2026年3月にトロフィーロードが14,000まで拡張され、5月には進行の仕組みがコレクションレベルに刷新されました。無課金プレイヤーの進行速度にどう影響したのかを、公式発表と開発者自身の振り返りから検証します。
「クラッシュ・ロワイヤル」の基本的な遊び方や評価の数字はクラッシュ・ロワイヤルの紹介ページにまとめているので、ここでは踏み込みません。同じSupercellのクラッシュ・オブ・クランやブロスタについても当サイトで無課金基準の検証記事を書いています。この記事で調べるのは、2026年3月と5月に立て続けに入った大型アップデートが、無課金プレイヤーの進行速度にどう影響したかという一点です。3月は配信10周年を記念してトロフィーロードが14,000まで拡張され、5月には進行の仕組みそのものがコレクションレベルという新方式に作り替えられました。何が変わり、それは無課金プレイヤーにとって有利になったのか、公式発表と開発者自身の振り返りから確認していきます。
2026年3月:10周年のトロフィーロード拡張と、半年越しのヒーロー緩和
3月のアップデートは、2016年3月2日の配信開始から10年を迎えたことを記念する内容でした。目玉はトロフィーロードの拡張で、上限が12,000から14,000へ引き上げられ、アリーナ29から32の4段階が新設されました。到達点には5つ星のラッキー宝箱と5つ星の限界突破ボックスが用意されています。ここは純粋な追加コンテンツで、すでに上限までたどり着いていた古参プレイヤー向けの延長にあたり、これから始める人の序盤の速度には直接関係しません。
無課金プレイヤーの進行に関わるのは、もう一つの変更、ヒーローというカード枠の入手条件の緩和です。ヒーロー自体は2025年11月のアップデートで、キングタワーレベルの上限を15から16に引き上げる変更とあわせて追加されていました。この導入は入手のしづらさから課金優位という受け止め方を広げ、同年3月のシーズンショップ廃止から続いていたプレイヤーの反発をさらに強める結果になっています。2026年8月24日のGamescom Devで開かれたセッションで、Supercellのゲームデザインリードを務めるJames Back氏は、この1年の一連の反応を「去年の終わり、我々はクラッシュ・ロワイヤルを殺してしまった」と振り返りました。海外メディアmobilegamer.bizの報道によるものです。
3月のアップデートは、この反省を踏まえた緩和の集大成にあたります。2月23日にヒーローの解放がアリーナ5まで引き下げられました。すでにアリーナ5を超えてヒーロー解放を終えていたプレイヤーには、無料のヒーローの欠片200個が3月中旬から3か月間受け取れる形で用意されています。3月2日にはクラロワパスが毎シーズン確定でヒーローの欠片75個を渡すようになり、3月中旬にはヒーローの入手方法がランダムから選択制に変わって、選んだヒーローを解放するヒーローコイン200個も無料で配布されています。あわせてデッキスロットは4から3(進化・ヒーロー・ワイルド)に整理されました。
2026年5月:キングの旅路が廃止され、コレクションレベルに置き換わった
5月26日のアップデートは、進行の仕組みそのものを作り直す規模のものでした。配信開始から10年続いていたXP方式の「キングの旅路」が完全に廃止され、代わりにコレクションレベルという指標が導入されています。
コレクションレベルは、所持しているすべてのカードのレベルを合計し、限界突破とヒーロー形態を1つ解放するごとに5を足した数値です。カードをアップグレードするたびに、レアリティを問わず一律で1ずつ上がります。報酬はレベル20から始まり、レベル1,500までは10レベルごと、それ以降は5レベルごとに受け取れます。
キングタワーレベルの決まり方も変わりました。以前はキングの旅路のXPで決まっていましたが、今はレベルごとに定められた枚数のカードを、一定レベル以上までアップグレードしているかどうかで決まります。公式の例では、キングタワーレベル2にはレベル1以上のカードが9枚、レベル15にはレベル14以上のカードが13枚必要です。タワーユニットはこの枚数に数えられません。移行によってキングタワーレベルが下がることはなく、現状維持か上昇のどちらかになると案内されています。
エメラルドとワイルドカードの配布経路も変わりました。これまではマスターというタスク達成の報酬に含まれていましたが、5月以降はコレクションレベルの到達報酬に移り、マスターのタスクはゴールドのみを渡す方式に整理されました。あわせてマスターの達成条件も旧基準のおよそ4割前後まで引き下げられ、例としてホグライダーの最初のタスクは8万5千から3万7千ダメージへと緩和されています。公式が示した全体の獲得可能量は、ゴールドが447万949から516万5,625(16%増)、エメラルドが14,330から14,945(4%増)です。ワイルドカードはコモンが6,431から37,169、レアが3,073から9,275、エピックが667から1,473、レジェンダリーが3から71、チャンピオンが3から26に増えています。いずれも進行全体を通じて獲得できる総量の比較で、1日あたりの獲得量が増えたという意味ではありません。
実際の進行速度はどう変わったか。開始直後は混乱もあった
数字だけを見れば、無課金プレイヤーに手厚い変更です。Supercell自身も、この変更が序盤から中盤のプレイヤーの恩恵になると公式に説明しています。ただし、実際の立ち上がりはそこまで滑らかではありませんでした。
攻略サイトTrophyCoachが伝えているところでは、アップデート直後、コレクションレベルを上げるために手当たり次第にカードを強化したプレイヤーが、対戦の結果を左右するカードのレベル15から16への強化に必要なゴールドを使い果たす問題が起きました。カードを1枚レベル15から16へ強化するには12万ゴールドかかりますが、無課金プレイヤーの1日あたりのゴールド収入はおおむね3万から5万程度とされます。カードのアップグレードはレアリティを問わずコレクションレベルを一律で1しか上げないため、勝敗にほぼ関係のない安いカードを強化してもレベルは同じだけ進んでしまい、無駄遣いに気づきにくい仕組みだった点が原因です。配信直後から「r/ClashRoyale」にもゴールド不足を訴える投稿が相次ぎました。
キングタワーレベルの移行そのものにも注意点があります。TrophyCoachは、旧システムで獲得していたキングタワーレベルはそのまま引き継がれるうえ、新しい基準(カードの所持枚数)をすでに満たしていれば、プレイ内容を変えていなくても移行の瞬間にレベルが上がる場合があると説明しています。手持ちのカードの育ち具合は変わらないまま、対戦相手の水準だけ上がる可能性があるということです。
8月24日のGamescom Devでの振り返りでは、Supercellは前述のシーズンショップ廃止とヒーロー導入をあわせて「読みを誤った」失敗例として挙げていますが、5月のコレクションレベル導入そのものについての総括は、今回確認できた範囲では見当たりませんでした。長期的に無課金の進行がどれだけ速くなったかを、Supercellや独立した第三者が数値で検証した資料も見当たりません。断定はできませんが、制度としては無課金寄りに設計し直されている一方、切り替え直後の混乱は実際に起きていた、というのが現時点で言える範囲です。
グローバル版と日本語版で時期のズレはないか
Supercell公式ブログの日本語版でも、5月26日配信という予告がグローバル版とそろって掲載されており、日本語版だけ遅れて配信されたという記載は見当たりませんでした。今回の一連のアップデートに関して、地域差を心配する必要はなさそうです。
まとめ
3月のトロフィーロード拡張とヒーロー入手の緩和、5月のコレクションレベル導入は、いずれも無課金プレイヤーが進めやすくなる方向の変更です。獲得できるワイルドカードやゴールドの総量は公式発表の上で増えており、特にレジェンダリーとチャンピオンのワイルドカードは大きく積み増されています。一方で、切り替え直後にはゴールド不足やキングタワーレベルの想定外の上昇といった混乱も実際に起きており、制度の設計と体感が完全に一致していたわけではありません。今から始める、あるいは久しぶりに戻る場合は、コレクションレベルを急いで上げようとせず、まず使用するデッキ8枚のカードから優先して強化していくのが無難です。