NTE(Neverness to Everness)徹底レビュー:海外評価はなぜ辛口なのか、幻塔・原神・鳴潮と何が違うのか
NTE:Neverness to Evernessを、海外メディアのレビューの中身、幻塔・原神・鳴潮との違い、生活シミュレーションや装備システムの作り込みという切り口から検証しました。配信4ヶ月時点の完成度をまとめています。
「NTE: Neverness to Everness」は、Hotta Studioが「幻塔(Tower of Fantasy)」に続いて手がけた、現代都市を舞台にしたオープンワールドRPGです。舞台設定やガチャの基本的な仕組みはNTE: Neverness to Evernessの紹介ページにまとめているので、ここでは重複を避け、海外レビューの中身や競合との違いに絞って掘り下げます。配信から4ヶ月が経ち、海外の主要メディアによるレビューもひととおり出そろいました。ストアの評価は4.7台と高い一方、専門メディアの評価はもう少し慎重です。何が評価され何が辛口に見られているのか、競合のオープンワールド系タイトルと比べて何が独自なのか、配信4ヶ月というタイミングでどこまで遊べる作品に育っているのかを、実際のレビューと最新のアップデート情報から確認していきます。
海外メディアのレビューは何を評価し、何を辛口に見ているか
海外のレビュー集計サイトOpenCriticでは、20件の批評家レビューの平均が71点で、「推奨する」と判定した批評家は45%にとどまり、評価ランクは中間の「Fair」です(2026年9月時点)。Metacritic のPS5版ページでも12件のレビューが集まっていて、平均は73点、内訳はPositiveが6件、Mixedが6件、Negativeは0件です(同時点)。ストアのユーザー評価が4.7台なのに対し、専門メディアの評価はもう少し割れているのが実際のところです。
読んでみると、評価が真っ二つに割れているというより、多くのメディアがほぼ同じ長所と短所を挙げているのが分かります。長所としてまず挙がるのが都市そのものの作り込みです。Push Squareは10点満点中8点(Metacritic換算80点)をつけ、「東京やソウルの要素を溶け込ませた、活気あふれる都市型オープンワールド」と評しました。GamingBoltも7点(同70点、GOOD判定)で、「環境デザインから異象の非現実的な質感まで、プレゼンテーションの水準が高い」と評価しています。ガチャの仕組みも好意的で、限定ガチャに50/50が無く90連で確定入手できる点は、複数のレビューで「業界内でも寛容な部類」として取り上げられていました。
一方、共通して指摘されるのが戦闘の奥行きです。DualShockers(6.5点)は、回避カウンターとキャラクター交代を軸にした戦闘の骨格が「鳴潮やゼンレスゾーンゼロと1対1で似ている」としながら、「その2作に比べると硬く、スナップと手応えに欠ける」と評しました。GamingBoltも戦闘そのものは「反応がよく、予想以上に深さがある」と一定の評価をしつつ、「スキルの上限は鳴潮やゼンレスゾーンゼロの水準にはほど遠い」と釘を刺しています。ロシア語メディアのGameMAGは6点(60点相当)で「平凡なストーリーと個性のない戦闘システム」とやや辛口に総括し、PlayStation Universe(6.5点)は配信直後のコンテンツ不足と、物語が唐突に終わる点を批判しました。イタリアのメディアEveryeye.it(7.5点)も「どの要素も楽しめるが、突出したものは一つも無い」とまとめています。
配信直後には、レビューとは別の物議も起きています。都市内の看板映像がアニメ映画「天気の子」に酷似しているとしてAI生成疑惑が浮上し、開発元のHotta Studioは2026年5月7日付の声明で、該当箇所を含む複数のアセットを見直すと発表しました。ゲームの出来そのものへの評価とは別軸の話ですが、購入や課金を検討する材料として知っておいて損はないと思います。
幻塔・原神・鳴潮と何が違うのか
Hotta Studioにとって本作は、幻塔に続く2作目のオープンワールドです。前作で手がけた近未来都市エリアの開発経験を都市全体に広げたのが本作という位置づけで、開発期間は2年足らずと語られています。都市の作り込みの厚みには、この経験が生きています。
無課金プレイヤーにとって条件の違いがはっきり出るのがガチャです。3作のSランク(星5)排出率を並べると、次のようになります。
| Sランクの基本排出率 | 天井 | ピックアップ確定への道 | |
|---|---|---|---|
| NTE | 0.99% | 90連 | 常に確定(外れる抽選自体が無い) |
| 鳴潮 | 0.8% | 80連 | 50%、外れても次で確定(最悪160連) |
| 原神 | 0.6% | 90連 | 55%、外れても次で確定(最悪180連) |
NTEは基本排出率そのものは他の2作と大きな差ではありませんが、天井までに外れる抽選が存在しないぶん「引いた分が無駄にならない」という安心感では上です。天井の仕組み自体をもっと詳しく知りたい場合はスマホゲームのガチャに天井はあるかにまとめています。
戦闘のデザインは、鳴潮やゼンレスゾーンゼロに近い方向を向いています。回避カウンター、キャラクター交代を軸にしたコンボという骨格は共通していて、前章の通り、レビューでは「型は似ているが手触りは硬い」という評価が定着しつつあります。原神のような緩やかな元素反応主体の戦闘と比べると忙しく、鳴潮のような高難度アクションと比べると噛みごたえが物足りない、という中間的な立ち位置です。
もう一つの違いは、探索の手段そのものが目的化している点です。パルクールでの壁登り、水中の移動、車の運転、路線バスなどの公共交通機関まで、街を移動する方法がひとまとまりで用意されているのはNTEらしい作りです。原神には空を飛ぶグライダーがあり、他のオープンワールド系タイトルにもそれぞれの移動手段はありますが、移動そのものを生活の一部として遊ばせる方向にここまで振り切っているのはNTEの独自性だと感じます。
生活シミュレーション要素はどこまで作り込まれているか
ゲームページでも「休日にショッピングを楽しむ、家を購入して部屋を飾るといった生活シミュレーション要素がある」と触れていますが、実際の作り込みは見た目以上に実務的です。
住居は「シティ・タイクーン」と呼ばれる仕組みの一部で、アパートから邸宅まで、現時点で7種類の物件を購入できます。部屋には家具を自由に配置でき、レイアウトや照明、テーマを部屋ごとに変えられるほか、アップデート1.2ではレイアウトをコードに変換して他プレイヤーと共有できる「デコブループリント」機能も追加されました。作った部屋を見せ合う遊び方まで用意されているのは、単なる着せ替え要素を超えた作り込みです。
家具は見た目だけの飾りではありません。ステータス上昇、スタミナ回復の早さ、経験値ボーナス、キャラクターとの親密度上昇速度、収入といった、実際のゲームプレイに関わる効果を持つ家具が用意されていて、部屋の快適度を上げるほど「タイクーンランク」が上がっていきます。部屋を飾ることがそのまま育成の一部になっている設計です。
生活シミュレーションの中身も、戦闘とは無関係な活動が幅広く用意されています。カフェの経営、宅配、釣り、麻雀、映画鑑賞に加えて、アップデート1.3ではビーチバレーやストリートレースといった季節ものの活動も追加されました。休日の過ごし方だけでコンテンツが成立するくらいの物量です。
配信4ヶ月時点のボリューム。メインストーリーとエンドコンテンツ
2026年4月29日の配信開始から、8月19日のアップデート1.3までに、メインストーリーはプロローグを含めて8つのエピソードが実装されています。1本あたり30分から150分ほどのボリュームで、本編クエストだけをクリアするならおおよそ13時間ほどです。1.3で実装されたエピソードは、一連の物語の大きな区切りにあたり、海外レビューが指摘していた「物語が唐突に終わる」という不満は、少なくとも配信当初と比べれば解消の方向にあります。
エンドコンテンツにあたるのが、高難度の連戦コンテンツです。本編を進めてハンターレベル12でクエストを受けると解放され、実際に歯応えを楽しめるのはハンターレベル24以降が目安とされています。常時挑戦できる10区間と、2週間ごとにリセットされる12区間を合わせた22区間で構成されていて、フルクリアで得られるクリスタルはエンドコンテンツの中でも最大の獲得源とされています。配信直後のレビューで指摘されていた「エンドコンテンツの薄さ」は、この4ヶ月でひとまず埋まっていると見てよさそうです。
アップデートのペースも、1.1(6月4日)、1.2(7月8日)、1.3(8月19日)と、5〜6週間に一度のペースで続いています。直近のアップデート1.3では新エリア2つと新キャラクター「ザンコウ」が実装されました。次のアップデート1.4は2026年9月末から10月上旬に予定されていて、新キャラクター2体と、遊園地を舞台にした新エリアの追加が予告されています。
装備・育成システムの中身。駆動コアと駆動ブロック
ゲームページで詳しく触れていないのが、キャラクターガチャとは別にある装備の育成です。装備は「駆動コア」(海外では Arc と呼ばれます)と「駆動ブロック」(通称カートリッジ)の2系統に分かれています。
駆動コアはキャラクター1体につき1つ装備するもので、攻撃力や会心といった火力に直結するメインステータスを持ちます。Sランクキャラクターには専用の駆動コアが用意されていて、そのキャラクターの個性を最大限に伸ばす調整がされています。
駆動ブロックは複数個を組み合わせて装備するパズル状の装備で、形状の合う駆動ブロックを揃えるとセット効果が発動します。最高レアリティの駆動ブロックは、ハンターレベル30で解放される高難度エリアの最高難易度でのみドロップします。エピック以上のレアリティはサブステータスが伏せられた状態でドロップし、拠点の焚き火や商人で「鑑定」して初めて実際の数値が判明する仕組みです。鑑定前に強化素材を無駄にする心配はありませんが、キャラクターガチャとは別に、装備でも運試しをする場面が生まれる作りで、ここは無視できない時間がかかる部分だと思います。
今後の運営はどう見えるか
配信からの4ヶ月は、1.1、1.2、1.3と5〜6週間に一度のペースで大型アップデートが続いています。このペースが今後何年も続くかどうかは、4ヶ月の実績だけでは判断できません。ただ、前作「幻塔」を長期運営してきたHotta Studioが手がけているという点は、少なくとも運営体制そのものへの不安を小さくする材料にはなると思います。
結論。幅広さと寛容さは本物、突出した強みは今のところ無い
海外レビューの評価が割れる理由ははっきりしています。都市の作り込み、生活シミュレーションの物量、ガチャの寛容さという間口の広さは評価される一方、戦闘の手応えという奥行きでは競合に一歩譲る、というのがレビューと今回調べた仕様の両方から見えてくる実像です。Push Squareが「都市型オープンワールドと生活シムを求める人には薦めないわけがない」と評価する一方、PlayStation Universeは「ジャンルの中で頭ひとつ抜けた作品を期待するべきではない」と釘を刺していて、両方とも率直に妥当な評価だと感じます。
配信4ヶ月というタイミングで見ると、当初のレビューで指摘されていたコンテンツの薄さやストーリーの唐突な終わりは、この間のアップデートである程度埋まっています。今から始めるなら、8つのエピソードとエンドコンテンツがすでに用意された状態でスタートできるので、配信直後より遊べる範囲は広がっています。戦闘の手応えより街を歩き回ること自体を楽しみたい人、原神や鳴潮をひと通り遊んで似た毛色の別の一本を探している人には向いています。逆に、鳴潮やゼンレスゾーンゼロのような高難度アクションを求めている人には、今のところ物足りなさが残ると思います。