スマホゲームの自動化・マクロは規約違反か|公式のオート機能と外部ツールの違い
スマホゲームの「放置・オート」機能は公式であればどのタイトルでも問題なく使えますが、外部のマクロアプリやチートツールは多くの規約で明示的に禁止されています。クラッシュ・オブ・クランやロマンシング サガ リ・ユニバースの規約原文、エミュレーターの扱いがタイトルで分かれる実例、実際にアカウントが停止された件数までまとめました。
「放置・オート」で遊べるゲームを探して来た方の多くが、次に気になるのはこの境界線だと思います。ゲームが公式に用意しているオート戦闘や周回機能は、どこまで頼っても大丈夫なのか。逆に、外部のマクロアプリや自動化ツールに手を出すと、何がどこまで危ないのか。
先に結論を書きます。ゲーム側が用意しているオート・周回・放置機能は、どのタイトルで使っても問題になりません。当サイトが放置・オートで遊べるゲームというタグで紹介している64本は、すべてこの公式機能を指しています。危ないのは、そこに外部のマクロアプリ、自動タップツール、スクリプト、チートツール、メモリ改ざんツール、BOTを追加で持ち込む行為です。多くの大手タイトルの利用規約が、これを明示的に禁止しています。
この記事では、実際の利用規約の条文、エミュレーターの扱いがタイトルによって分かれる実例、実際にアカウントが停止された事例をもとに、どこからが規約違反にあたるのかを整理します。
公式のオート・周回機能は、どのタイトルで使っても問題ない
ゲーム内に用意されている「オート戦闘」「周回」「放置での自動進行」といった機能は、運営がプレイヤーに使ってもらうために実装しているものです。これを使う分には、規約違反を心配する必要はありません。
たとえば崩壊:スターレイルには、公式のオート戦闘機能があります。いつから搭載された機能かまでは確認できていませんが、運営が用意した機能である以上、使うこと自体にリスクはありません。他にも周回・放置に対応したタイトルは多く、当サイトでは放置・オートで遊べるゲームとしてまとめて紹介しています。
問題になるのは、この公式機能の範囲を超えて、外部のソフトやツールでゲームを自動化したり、データを書き換えたりする行為です。
外部ツールは何が禁止されているか、規約の原文で確認する
大手タイトルの利用規約には、外部ツールの使用を禁止する条項が具体的に書かれています。3つのタイトルの例を見てみます。
クラッシュ・オブ・クラン(Supercell)
Supercellの公式Terms of Service第1.1条は、チート、エクスプロイト、自動化ソフトウェア、エミュレーター、ボット、ハック、MOD、その他サービスの改変・妨害を目的とした未承認のサードパーティ製ソフトウェアの使用(直接的・間接的な関与を含む)を禁止行為として明記しています。違反した場合、アカウントの制限・停止・削除ができるとも規約に書かれています。
Supercellは公式ブログ(日本語版、2024年6月26日)でも、「ボットアカウントであることが確認された場合はすべて永久に停止し、サードパーティ製ソフトウェアを利用しているプレイヤーも永久停止とします」と明言しています。
ロマンシング サガ リ・ユニバース(スクウェア・エニックス)
公式利用規約第2.9条「チートまたはボットの利用」では、チート、ボット、自動ソフトウェア、不正侵入ソフト、モッド、その他サービスを不正利用または改変する目的のソフトを制作・利用しないものとする、と定められています。違反時の対応として、警告、不正に取得したアイテムや通貨の削除、ゲーム内通貨購入の制限、アカウントの一時的または永久的な停止が規約に列挙されています。
バンダイナムコがアプリ向けに提供する共通利用規約
バンダイナムコエンターテインメントがアプリ向けに公開している共通利用規約第9.1条には、「ソフトウェアに不正な処理を行わせるプログラムを使用する行為、ツール等を使用して情報を取得する行為またはツール等を使用して不正にゲームを有利に進める行為」が禁止行為として明記されています。第9.2条では利用機能の制限やプレイデータの修正(有償通貨・デジタルアイテムの抹消を含む)、アカウント利用停止などの措置を取りうるとされ、第9.3条では無期限のアカウント利用停止を受けた場合、以後このサービスを利用することは一切できないと定められています。
これは同社がアプリ向けに提供している共通の規約であり、個別のタイトルにこの条文がどう適用されているかまでは、ここでは確認できていません。ただ、マクロやツールを使った不正行為を禁止する条項自体は、こうした形でどのタイトルにも共通して用意されているのが実情です。
エミュレーターなら安全、とは言い切れない
「エミュレーターでの起動自体は問題ないが、マクロを組んだらアウト」という単純な線引きができれば分かりやすいのですが、実際はそうなっていません。
モンスターストライク(mixi)は、公式サイトの「不正行為への対応に関するお知らせ」(2021年3月24日)で、「パソコンのエミュレーターでアプリを起動するなど、弊社が認めていないツールやプログラムを利用し、本来のプレイ方法よりも有利に進める行為」を禁止行為の具体例として明示しています。エミュレーターで起動すること自体を問題視している、数少ない明確な実例です。なお、2024年8月27日に出た同種の告知では、該当箇所の文言が「ゲームデータを改ざん、あるいは弊社が認めていないツールやプログラムを利用し、ゲームを本来のプレイ方法よりも有利に進める行為」に変わっており、エミュレーターという単語は明記されていません。表現が変わった理由や、現在もエミュレーター起動そのものを禁止行為として扱っているかどうかは、この告知だけでは確認できませんでした。
先に挙げたクラッシュ・オブ・クランの規約も、禁止するソフトウェアの一覧に「エミュレーター」という単語をそのまま含んでいます。一方でロマンシング サガ リ・ユニバースやバンダイナムコの共通規約の条文には、エミュレーターという言葉自体は出てきません。これは、エミュレーターの利用がそちらのタイトルで許容されているという意味ではなく、単に規約の文面で明示されていないというだけです。
「エミュレーターなら基本的に安全」とは考えないほうがよいと思います。タイトルによって扱いが分かれることが実例として確認できている以上、遊んでいるゲームの規約やお知らせを個別に確認するしかありません。
実際にBANされた事例
規約に違反した場合、実際どうなるのか。ブルーアーカイブ(Yostar)の事例が参考になります。
Yostarは2023年8月23日、利用規約に違反したアカウントの永久停止処置を実施したと発表し、アプリデータの改ざん、ゲーム環境や公平性を破壊するチート行為、プラットフォームのリファンド機能の悪用を対象に、58件のアカウントを永久停止したと明らかにしました。停止理由の個別説明や解除はいずれも行わない方針だとされています。
件数まで公表されたケースは多くありませんが、規約違反への対応が実際に行われていること、そして一度停止されると個別の説明や解除には応じない運用になっていることが分かる事例です。
公式が公式X上で明言している例
アークナイツ(Yostar)は、2020年8月19日の公式X投稿で「アークナイツでは、健全なゲーム環境を提供するため、外部チートツールの使用やデータ改ざんなどの不正行為を禁止しております。規約違反や不正行為が確認された場合、アカウントの停止など厳しい措置を実施することがあります」と発信しました。同趣旨の呼びかけは2023年11月にも再掲されています。
規約の条文そのものまでは確認できていませんが、公式が公式X上でこの方針を明言している例として挙げておきます。
より踏み込んだ行為には、法的リスクも指摘されている
単純な自動タップ・放置マクロを個人で使う程度であれば、それだけで刑事事件になった実例は確認できていません。規約違反としてアカウントが停止される、というところにとどまるケースが大半だと考えられます。
ただし、チートツールを開発・配布・販売する行為や、サーバーへの不正アクセスを伴う行為など、より踏み込んだ内容になると話が変わってきます。こうした行為は不正アクセス禁止法に抵触する可能性が指摘される、という整理が一般的です。
参考までに、据置機や携帯機のセーブデータ改造ツールをめぐっては、著作権法(同一性保持権の侵害)や不正競争防止法の観点で摘発された実例が過去にあります。これらはスマートフォンゲームのマクロやBOTの事案そのものではなく、据置機のセーブデータ改造ツールに関する別の事案です。同一視はできませんが、ゲームの改造・自動化ツールをめぐって法的な問題に発展した前例として、参考程度に触れておきます。
今すぐ確認したいこと
ここまでの内容を、実際に取れる行動として整理します。
- 遊んでいるゲームに公式のオート・周回機能があれば、それだけを使う分にはリスクがありません
- 外部のマクロアプリ、自動タップツール、スクリプトを追加で使うのは、多くのタイトルの規約で禁止されており、BANのリスクがあります
- エミュレーターでのプレイを許容するかどうかはタイトルによって違います。迷ったら、遊んでいるゲームの利用規約や公式のお知らせを確認してください
- チートツールの配布や改造データの売買といった、より踏み込んだ行為には、規約違反にとどまらない法的リスクも指摘されています
なお、規約違反によるアカウント停止は、誤って課金してしまった場合の返金申請や、サービス終了時の払い戻しとは性質が異なります。不正行為が理由でアカウントが停止された場合、そこに残っていた課金分が戻ってくることは基本的に期待できません。
まとめ
- 公式が用意しているオート戦闘・周回・放置機能は、どのタイトルで使っても規約違反にはあたらない
- 外部のマクロアプリ、自動タップツール、スクリプト、チートツール、BOTを追加で使う行為は、クラッシュ・オブ・クランやロマンシング サガ リ・ユニバースなど、多くのタイトルの規約で明示的に禁止されている
- 「エミュレーターは安全、マクロだけが危険」という単純な線引きはできない。モンスターストライクは2021年の告知でエミュレーター起動自体を禁止行為の具体例として明示していた(2024年の告知では同じ文言からエミュレーターの明記が消えている)。クラッシュ・オブ・クランの規約にも「エミュレーター」という単語が含まれている
- ブルーアーカイブでは2023年8月、チート行為などを理由に58件のアカウントが永久停止された
- アークナイツは公式X上で、外部チートツールの使用やデータ改ざんを禁止し、アカウント停止などの措置を取りうると明言している
- 個人による単純な自動タップの利用が刑事事件になった実例は確認できていない。踏み込んだ行為(ツールの開発・配布、不正アクセスなど)は法的リスクも指摘されている
迷ったときの基本は、公式が用意した機能の範囲内で遊ぶことです。それを超えるツールを使う前に、遊んでいるゲームの利用規約とお知らせを一度確認しておくと安心です。